2009年8月27日木曜日

何もないオホーツク~北海道テント旅5日目(雄武町)

雨は明け方まで降り続いた。
朝になると、カラスの声が大きい。
5時ごろ起きると、どんよりとした曇り空。
目の前が海なのに爽やかさがない。
コーヒーを淹れ、パンを焼く。
今日はいよいよ最北端だ。

食事を済ませ、テントを干す。割と簡単に乾く。
7時過ぎ、出発。日本海を左手に見ながら、オロロン街道を北上。まずはサロベツ原野を目指す。
途中、風車が列をなしていた。

サロベツ原野では秋田から来た夫婦に会う。
ホンダのフィットの後部座席を倒し、板を張り、平らにしている。布団を積み、車中泊ができるよう改造している。
月の半分は車で旅行するという。ETCの1000円割引が登場してからは鹿児島まで行ったとか。
朝食と夕食は、前日夕、スーパーで半額になった弁当を調達。3日に1回ぐらいは宿に泊まり、美味しいものを食べる。
こういう旅行もいいかな、と思う。

稚内へは昼前に到着。洗濯物が溜まっていたので、ガソリンスタンドでランドリーの場所を聞く。
すぐ側にあった。洗濯をしている間、副港市場で食事。
奮発して2500円のウニ丼を食べる。カニの味噌汁付き。
うまいのだが、2500円の価値はあるか? 疑問。
隣の店で、ホッケの干物とイカ飯を購入。

洗濯物を回収し、ノシャップ岬へ。雨の中、到着。本当は利尻島が見えるはずだが・・・。残念。
稚内でもコーヒーの自家焙煎店を見つけ、100gだけ豆購入。
次は宗谷岬だ。


最北端なのだが、感動はない。冷たい雨の中、写真を撮って終わり。
間宮林蔵の碑があった。ここから先、樺太に渡り、樺太が島であることを発見したのだ。
先人の好奇心と勇気に敬服する。

あとはひたすら東へ。今回の旅行の最大目的地である知床を目指すだけだ。
「何もないよ」
吹上温泉でNTTの2人に聞いていたが、本当に何もない。
北海道NOが何台も追い抜いていく。
何をそんなに急ぐのだろう。
まあ、こっちは時間があるからな、と納得させる。
紋別まで行きたかったが、雄武(おうむ)町の日の出岬で妥協。
朝日がきれいだという。
海沿いに広がるキャンプ場。芝生がきれいだ。
雨はすっかり上がっている。

テントを張り、買い物。そして、お決まりの温泉へ。
今夜はオホーツク温泉「ホテル日の出岬
夕食は当然、稚内で買ったホッケの焼き魚。

2009年8月25日火曜日

旭川ラーメンはうまい~北海道テント旅4日目(初山別泊)

いびきも聞こえ、ベットは寝付けない。早朝起床。露天風呂へ向かった。
これが最高。小雨が降っているが、山も見える
冷たい雨と温かいお湯がうまくマッチする。
奥さんと札幌から来たというおじさんと話をする。
「札幌だと空が狭い。ここは空が広くていいですね」
なるほどビルや家に囲まれていないから空が広い。
気持ちも広くなるようだ。

この朝もコーヒーを淹れる。うまい。
朝食が終わるころ、雨は本降りに変わった。テントでなくてよかった。

雨だし、美瑛のお花畑を見る雰囲気ではない。旭川の旭山動物園を目指す。

8時半到着。9時オープン。ところがもう並んでいた。さすが旭山動物園
傘をさし、チケット購入の列に並ぶ。

園内に入り向かった先は、やはり白クマ。並んで入り、アザラシ目線で白クマを見られるドームのコーナーにまた並ぶ。しかし、残念ながらドームから白クマを見ることはできなかった。

次いで向かった先は、白クマと人気を二分するアザラシ。細長で丸い縦の水槽をアザラシがスーっと泳いでいく。

ペンギン、オランウータン、オオカミと眺め、カピバラのコーナーへ。鼻の下の長い、どこかのおじさんのようで、なんか愛嬌がある。上の方にはクモザルが同居している。

体が冷えてきて風邪をひきそうなので旭山動物園を後にする。

そろそろ昼時。旭川ラーメンを食べてみようと、車を走らせると、「ひびき」というガイドブックに出ているラーメン屋さんを発見。お店の方に「お勧めはなんですか?」と尋ねたら「塩を頼まれる方が多いですね」
この「塩」がうまかった。この旅行中4回ほどラーメンを食べたが、「ひびき」の「塩」が一番。

ラーメンを食べたし、JR旭川駅も一応チェックし、一路、初山別を目指す。

旭川鷹栖インターから道央道に乗り、士別剣淵まで走り、左折。
いよいよ山越えだ。時折小雨が降り、暗雲が立ち込めている。
はたして今夜の野営は大丈夫か。
天気予報ではなんとか持ちそうだが。
日本海側の町、羽幌を目指す。

羽幌から北上。道路を走る車は少なく、店もない。どんよりとした天気。そんな中、うっすらと左前方に海から突き出た山が見える。
利尻島の利尻富士だ。

初山別みさき台公園キャンプ場、到着。
キャンプ場の受付で聞くと、買い物は来た道を車で20分ほど戻ったところ、という。
本当に何もない。

車で戻り、コンビニで買い物を済ませ、キャンプ場近くの初山別温泉「岬の湯」へ。
露天風呂は日本海が目の前に広がる。解放感があふれる。夕日がきれいだろう。

キャンプ場の側には天文台もある場所だが、あいにくの曇り空。

夜半、雨が降る。


小樽、そして富良野へ~北海道テント旅3日目(上富良野泊)

小樽の朝は、鳥の声で目が覚めた。
前の晩、そしてその次の晩ともにぐっすり。
テントだが、しっかりしたエアマットを敷いているのでフカフカである。
朝はコーヒー。家からコーヒー道具を一式持参しているので、完璧なコーヒーを淹れる。
まずお湯を沸かす。その間に、ポット(沸かしたお湯を入れる)、サーバー(ドリッパーから出たコーヒーを受ける)、ドリッパー(フィルターに入れた粉を入れる容器)、ペーパーフィルターを用意し、前日買った豆を挽く。
この瞬間がいい。お湯が沸く音がコトコト響き、コーヒーの香りが漂う。
生協で買った豆はやっぱり膨らまなかった(炒って間もない粉はお湯を注ぐと膨らむ)。
それでも、2日ぶりのコーヒーはうまい。しかも森の中のコーヒーは格別である。

キャンプ場から近い天狗山に車で登る。市街地が見えるはずだが、霧が濃く、視界が開けない。
小樽の町へ。車を止め、徒歩でブラブラ街を歩く。観光地だ。観光客向けの人力車もある。
北海道の石炭を運ぶ港として発展した街のようである。
戦前の発展が思い浮かぶ。
案内所でコーヒーの自家焙煎店を尋ねる。
「可否茶館」というところを教えてもらい、豆購入。
かま栄」というかまぼこ屋さんで「パンロール」というかまぼこをパンで包んだものをいただく。
これうまい。脂っこいが、うまい。
新鮮なコーヒー豆も買えたので、小樽を後にし、札幌自動車道に乗る。
札幌は通り過ぎ、滝川を目指す。
途中、岩見沢サービスエリアで昼食。「ポテト麺」というのを頼む。ラーメンの麺にジャガイモを練りこんでいるのか、うまい。冷たい麺である。
後は一気に富良野へ。
富良野では、新富良野プリンスホテルで、テレビドラマ「風のガーデン」の舞台となったブリティッシュガーデンを見る。「風のガーデン」は倉本創作で、緒方拳の遺作。
ドラマを見ていないので、残念ながら感動もなし。
ゴルフ場跡地に造られた庭園はこじんまりとしていた。
続いて、「ファーム富田」。これはすごい。クリックしてホームページを見てください。それだけでも良さが分かる。
中に「ファーム富田」の歴史を記した看板がある。経営が苦しく全部刈ろうとしたが、刈れなかった、と。
ラベンダーの蒸留水、石鹸などを購入。ラベンダー色のソフトもいただく。
宿泊先の「吹上温泉保養センター白銀荘」へ向かう。
天候は晴れ。雨は降りそうにない。テントの方がよかったのではないか。
白銀荘は自炊の宿。
みんなすき焼きやカツオの刺身と豪華な料理を作っている。
そんな中、宿の冷凍食品を温める。
札幌から登山に来ていたNTT社員2人と同じテーブルになる。
2週間ほど前に中高年者10人が亡くなった大雪山系の遭難はこの近くの山で起きたと聞く。
日本海側を稚内まで北上する、と言ったら、初山別に宿泊することを勧められる。
宿泊場所は2段ベット。料金は2600円。
温泉がよかった。サウナも付いていて、露天風呂が広い。

写真は「富田ファーム」。


どこまでも続く一本道~北海道テント旅2日目(小樽泊)

7月31日は5時に起きた。テントをたたみ、6時にはフェリー乗り場へ。
7時10分発のフェリーで函館に渡った。1時間40分の船旅である。
実は帰りのフェリーが予約できてなかった。苫小牧から帰るつもりだが、満席。フェリー会社の札幌営業所に電話するが、満席とのこと。キャンセル待ちを依頼する。
フェリーターミナルで、高速道路が3日間3950円になるというETC向けサービスがあることを知る。電話受け付けはないので、四苦八苦して携帯から申し込む。(後で、申し込まなかった方が安かったことを悟るのだが)
函館近郊泊を考えていたが、高速道路が安いなら、と小樽を目指す。八雲から高速、道央道に入り、あっという間に長万部に着く。羊蹄国道に入る。
道路が真っすぐ。対向車も少なく快適なドライブ
道の駅「らんこし・ふるさとの丘」で、ベーグルサンドのランチ。
北上。ニセコ着。ずっと行きたかった滑りたかったニセコスキー場が、札幌から結構離れた場所にあることを知る。
ニセコの道の駅「ニセコビュープラザ」では高原の野菜を購入。
倶知安、余市を経由して、小樽へ。
市街地から近い「おたる自然の村キャンプ場」を探す。
駐車場からはリヤカーで荷物を運ぶシステム。
森の中。静か。
テントを建て、「小樽天然温泉湯の花手宮出殿」へ。夜が迫っているため、慌ただしく上がり、生協で食材購入。コーヒー豆も購入。
ランプを灯して食事。
ラジオを聴いていると、翌朝は雨が降りそう。富良野近くの吹上温泉の相部屋を予約する。

写真は函館のフェリーターミナル。

2009年8月24日月曜日

星がきれいな大間の夜~北海道テント旅1日目(大間泊)

7月30日。カミさんと二人、旅に出た。北海道へマイカーで。金がないからテント泊、である。
出発は午前3時40分。午前4時までに高速に乗れば半額になる、とあわてて家を出た。
まだ暗い。途中、借りたDVD(姪の娘のために借りた「アンパンマン」である)を返却ボックスに入れ、高速に入った。
朝の高速は車が少ない。ほぼ制限速度で北を目指す。順調。
盛岡近くではもう、夜が明けていた。
サービスエリアで朝食。再び、北を目指す。
そう、目指すは北海道。である。青森からフェリーに乗るか、下北半島は大間にするか、迷った結果、大間、とする。
なんとなく八戸の町を見たくなる。
その直前、猛烈な睡魔に襲われ、休憩。寝る。
八戸の町を目指す。取りあえず、八戸駅へ。写真を撮影し、満足。
次は大間だ。
しかし、どうやって行けばよいのか。
看板を見、地図を見、なんとか海沿いを北上する。
寺山修司記念館」の看板を見つける。
何となく入ってみたくなり左折。三沢市の公園の中で、記念館を見つけた。
状況劇場。同時代なんだから、見ておけばよかったな、と後悔する。
美術館を後にしてさらに北上。ここまで来たら、六ケ所村にある原子力燃料の再処理施設を見たい。
再処理施設の実物は見れないが、見学施設があるらしい。
それを目指す。見学施設「六ケ所原燃PRセンター」は無料。おまけに本までもらえた。
大金で作って動いていない施設。無駄だ。しかし原発はクリーンエネルギー。
危険だが、CO2抑制につながる。
どうすりゃいいんだろう。
さらに北上。恐山が近い、と分かる。
せっかくだから、と恐山にも寄ることにする。
恐山に、イタコはいなかった。要するに、温泉の煙が出る地域。
まもなく夕方。大間への道のりを急ぐ。山道を通り、海岸線を通り、16時30分、本州最東端、大間着。
無料の大間キャンプ場にテントを張る。久しぶりのテント、しかも初めて利用するテントで、張るのに50分もかかった。
大間岬から対岸の函館が見える。
大間温泉海峡保養センター」で温泉に入り、食材を購入。80円で木槌も買う。
日の入りは18時30分。津軽海峡に沈む夕陽を見る。
夜。北斗七星がきれい、だった。

写真は恐山

土の塾―その2

角田市郊外の山間で我々3人は、畜産農家の実態をちょっとだけかじった。ホストの方からみれば、邪魔をしていただけだろうが。

朝は6時起床。我々は6時だが、ご主人は4時に起きて畜舎の見回りを済ませている。牛に異常がないかどうか調べる。
6時半、奥さんの手料理、しかも冷凍保存していた美味しいお米をいただく。
7時半ごろ、従業員の方が出社。8時から作業開始。赤ちゃん牛へはミルク、大人の牛へは稲わらのロールや特製の配合飼料を与える。300頭もいると量が半端でないから、重機が登場する。牛さえいなかったら、さながら土木現場だ。大型、中型のトラックもあるほか、飼料や堆肥の運搬でトラックの出入りがある。
12時ごろ昼食を取り、13時には作業再開。この間、ご主人は外部の会合へ出かけ、奥さんは家事を行い、忙しい。奥さんは経理担当でもあるので、決算期のこの時期は大忙しだった。
餌やりや牛の寝床用のおが屑を置いたりしているうちに17時。一応の作業終了となる。
以前、牛の数が少ない頃は、ご主人と奥さんが2人で朝仕事を終えてから朝食を取ったりしていたらしいが、従業員に合わせ9-5時の作業スケジュールに変えたという。
生き物相手だから休みはない。常に誰かが餌をやり、堆肥を変え、牛を見守っている。

こちらの畜舎からは「A5」という最高級和牛が生産されている。簡単に買える値段ではないが、1回ぐらいは食べてみたい。

土の塾―その1

8月20日から3泊4日で、農家に寝泊まりして農業を体験する、角田市農業振興公社主催のあぶくま農学校「土の塾」に参加した。「土の塾」は同公社が2001年から開催している。農業の新規参入者や農業に関心のある人を対象にした農業体験教室。今回は第9期で8人。全員が学生。ほとんどが東京からの参加者だが、出身地をみると北海道、新潟、韓国、ベトナムなど広範囲に分かれる。
今回は稲作、畑作、畜産などを経営する農家にそれぞれステイした。
私自身がお邪魔したのは牛300頭を飼う畜産農家。私を含め3人がお世話になった。畜産以外に水稲も経営している。牛の数がこれぐらいになると、家族だけではやっていけない。従業員もいて、牛への飼料供給、飼料の混合、寝床となるおが屑の収集、堆肥かき出し、堆肥の切り返しなどのルーティンワークをこなさなくてはならない。そんな中に牛の出産もやってくる。
話を聞いてみると、我々3人が伺う直前、牛の出産が始まった。しかも逆子。正常分娩なら頭から出てくるはずが、手を突っ込んで調べても頭がない。放っておけば、分娩の最中にへその緒が切れ、羊水を吸った赤ちゃん牛は死んでしまう。オーナーは我々を迎えに市街地へ向かっていたが、引き返した。機械を使って赤ちゃん牛を引き出したという。
写真は生まれた翌朝の赤ちゃん牛。もう立ち上がり、お母さんのおっぱいを飲んでいた。