2010年6月2日水曜日

在沖米軍の見える化~鳩山政権

鳩山首相が民主党の両院議員総会で、退任表明した。小沢一郎同党幹事長も職を退く。民主党に対する支持率は回復するであろう。

鳩山首相には、その地位でもっとがんばってほしかった。

退陣のきっかけとなった米軍基地問題。沖縄では大きな問題だが、他県ではこれまで「人ごと」だった。それが普天間基地の移転先選定が難航する中、他県もこの問題を考えざるを得なくなった。

ほとんどの人は「うちの県に来てもらっちゃ困る」。ゴミ焼却場や原発のように、必要性は認めるが、自らが住む地域への設置を嫌っていた。

先日の全国知事会議。鳩山首相が全国の知事に、応分の負担をお願いしたのに対し、東京都の石原都知事は、答えを持ってきていない、と途中退席したらしい。一方、大阪の橋下知事は「沖縄の重み」を他県も負担することに言及した。

「なぜ沖縄だけが(在日米軍基地の75%が存在するのか)」。沖縄でよく聞く議論である。他県の人間も、この事実は知っている。しかし、見て見ぬようにしてきたのが実態である。

鳩山政権は、今回の普天間基地移転先選定で、この事実を顕在化させた。「寝た子を起こした」など無責任な論を展開する向きもあるが、顕在化させることにより米軍基地の必要性、存在意義に関する議論が起きることを望む。

今回の辞任は、民主党にとって、参院選には有利に働くであろう。

しかし、日本国民にとってはどうか。普天間問題は解決していない。財政赤字は続いている。景気は低迷したままだ。トップが変わったからといって、解決は難しい。せっかく積み上げてきた「道程」が後戻りしないか。

トップに、政党に、政治に責任をなすりつけないで、国民が自らの問題としてとらえるべきではないか。

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