2011年2月27日日曜日

剪定~カフェへの道#11

ブルーベリーの剪定をいとこに教わる。これが難しい。まずシュートと呼ばれる新芽で残したい元気な枝を決める。他のシュートは根元から切って行く。残したいシュートは2/3ぐらい残して、上部をバッサリ切る。こうすることにより、切った下から脇芽が出て、これに花芽が付くらしい。また混みあったところは切って行く。真ん中を開けて周囲に広がって行く形が理想らしい。

いとこはチョキチョキチョキと切って行く、どうやって選別しているのか。理屈はわかるが、切る枝と切らない枝を見分ける方法がなかなかわからない。

基本は上下に出ている枝を切ったり、粒を大きくするため、花芽を少なくするようだが、折角花芽が付いている枝を切るのはどうも忍びない。

悩んでいると、寒さが身に染みる。

切り口もきれいでないといけない。割れてしまうと、そこから枯れてしまうそうだ。

全部で450本。3月一杯は剪定で悩みそうである。

2011年2月15日火曜日

カッピング~カフェへの道#10

2日目の午後は再びカッピング。

まずはじめに3種類のコーヒーを試して点数を点けた。1種類は風味が良くなく、1種類はずば抜けた味があった。ふたを開けると風味があまり良くないと思われたのはタイのコーヒー。アラビカにロブスタの血が入ったカチモールという品種らしい。若干、なんというか土臭い。

ずば抜けた味はパナマのゲイシャ種。エスメラルダ農園産だ。言ってみれば華やかな果実の香りを感ずる。私でもその素晴らしさがわかった。

もう1品はエチオピアのイルガチェフ。もちろん美味しいコーヒーだが、スペシャルティコーヒーの中では可もなく不可もなく、といったところか。

第2ラウンドは6種類のコーヒーをカッピングして、第1ラウンドのコーヒーを当てるクイズを行った。3グループに分かれ、グループとして答えを出すのだが、この結果が散々だった。私個人が、である。

グループとしては唯一全問正解だったが、私が選んだコーヒーは違った。私が、飲みたくない、と思ったコーヒーは実は世界有数の素晴らしいマンデリン。講師の方は90.5という高い評価を点けた。一方、私はどうも香りが好きになれなかった。バランスはまずくないと思ったが、強く放つ個性に共感できなかった。これがタイのコーヒーか、と判断したのである。

そんなわけで2日目のカッピングはますます落ち込む結果となった。

この2日間は極めて濃縮された時間で、本当に貴重な講義だった。集まったのは大半が東京以外の人で、コーヒーに魅せられた人同士で交わす会話はとても有意義だった。

しかも全国のコーヒーが美味しい店がある程度一致していることがわかり、これにも驚いた。日本におけるスペシャルティコーヒーの世界はまだまだ狭いが、確かな足場を築きつつあるのである。

コーヒーの基礎~カフェへの道#9

写真の左側はパーチメント。コーヒー豆の皮である。そして右側がコーヒーの生豆。この生豆を煎る、焙煎することによって、飲料用のコーヒー豆が出来る。

コーヒー講習会の2日目はコーヒーの品種や収穫方法など、コーヒー豆というものがどういうものか徹底的に、しかし非常にシンプルに教わった。世にコーヒー教本は数多く、エチオピアが原産国とかブラジルの生産量が一番とか書いてあるが、これほどすっきりした内容は初めて。

コーヒーという木の分類方法や、栽培方法、ウォッシュト(水洗)とナチュラル(自然乾燥)の違いなどを極めてわかりやすく教えていただいた。

これまでわからずにいたことが、いろいろ明らかになった。例えばアラビカ種の方が高く売れるのに、なぜカネフォラ(ロブスタ)種が栽培され生産量も多いのか。これはアラビカ種が病気に弱く標高の高い地域でしか生産されないのに対し、カネフォラ種は病気に強く、比較的低地でも生産化可能であることが理由。またアラビカ種の花が一輪いちりん咲くのに対し、カネフォラ種はまとまって咲く、なんとことも初めて知った事実。受粉してから熟した実になるまで数カ月かかることもわかった。

わずか2時間の講義時間だったが、内容の濃い、充実した時間だった。

2011年2月14日月曜日

コーヒーの評価方法~カフェへの道#8

続いて教わったのはコーヒー豆の評価方法。カッピング、という。SCAA(米国スペシャリティコーヒー協会)の様式を使う方法を教わった。

方法は単純なようで、実はかなり難しい。決まった分量の挽いた粉の匂いを嗅ぐ(フレグランス)、お湯を注いで匂いを嗅ぐ(アロマ)、スプーンで勢いよくすすって味を確かめる。ここで酸味(アシディティ)、コク(ボディ)、後味(アフターテイスト)を確かめる。さらに味の調和(バランス)、甘さ(スウィートネス)、風味(フレーバー)、液体のきれいさ(クリーンカップ)、全体評価(オーバラル)、欠点(ディフェクト)についても点数をつける。

慣れた人は、コーヒーを分別するために、オレンジの香りとか土の香りなどを嗅ぎ分けたり、パイナップルの味などを感じたりするが、私は皆目分からない。

この日は3つのコーヒーを出し、うち1つだけ違う種類のコーヒーで、これを当てる、というテストを行った。これはなんとかなったが、その後やったカッピングは外れてしまった。

やっていればだんだん慣れる、という人もいるが、難しい。美味いか、まずいかはわかる。というか、スペシャルティコーヒーが対象なのですべて美味い。しかし、分別はできない。難しい。とてもとても難しい。

やればやるほど不安に陥ってしまった。

コーヒーの抽出~カフェへの道#7

2日間に渡り、コーヒーに関する講習会に参加した。

まずはコーヒーの抽出方法。この過程で、SCAA(米国スペシャルティコーヒー協会)では、ドリップ式抽出がトピックであるということを知る。それまで今後の抽出方法は(フレンチ)プレスと信じ込んでいた。

ドリップは日本ではお馴染の紙やネルのフィルターに挽いたコーヒー粉を入れてお湯を落とす方法。これに対しプレスは紅茶のように、粉にお湯を入れて上から金属のフィルターを押して抽出する。欧米で一般的な方法だ。

ドリップがすっきりした味になるのに対し、プレスは油脂成分も含まれるためコクが出てくる。だからプレスの方が美味いと言う人もいる。私もそう思っていた。

一方、世間ではドリップの方がいいと言う人も少なからず多い。うちの家族も例に漏れない。

ともかくアメリカではドリップが「シングルサーブ」と言われ、注目され始めているようだ。昨年のSCAAは話題が「シングルサーブ」一色に染まったとか。少なくとも日本では当たり前過ぎるドリップだが、アメリカではトレンドになり始めているらしい。

このドリップ。細く注いで1分ほど経つとコーヒーが滴り落ちる。それから1分ぐらいで淹れればアメリカン。3分ほどかければコクのあるコーヒーが出来上がる。

スペシャルティコーヒーはコマーシャルコーヒーとは違う。この点を徹底的に教わった。

2011年2月6日日曜日

スピーカーセット~カフェへの道#6

ちょうど時間が出来たので山の家を訪問。気温が緩み、雪もだいぶ溶けていた。おかげで、先日は雪に埋もれていたアプローチを通り、家の前まで車で進入することができた。

本日の目的の一つはスピーカーのセット。といっても、古いパソコン用のスピーカーを置いてきただけだが。

このスピーカー、クリーム入りのプラスチックに包まれ、お世辞にも見た目はよくない。しかし、ウーハー付き。

パソコンを持ち込み、つないでみた。鳴らした曲は、お気に入りのマッコイ・タイナ―、サテンドール。

結果は、ひじょぅ~によかった。長い間、練馬のマンションで十分な音量を出せずにいたゲートウェイ2000の付属品は、呪縛を取り払うかのように、いい音を解き放った。

スピーカーの概観は山の家にそぐわない色だが、音色は十分合っていた。

薪ストーブの火を見ながら、コーヒーのマグを手に取ると、静かに響くサテンドール。なかなかいい。試しにレミオロメンも聞いてみたが、これもいい。しかしやっぱりサテンドールが落ち着く。今度はキース・ジャレットも聞いてみたい。コーヒーじゃなく、ウイスキーで。

帰り、家を出ようとしたら、雪にタイヤが埋もれてしまった。タイヤを動かせば動かすほど、文字通り深みにはまる。ちょうど通りかかった仙台ナンバー・アウディの方に助けてもらった。感謝。

2011年2月3日木曜日

雪かき~カフェへの道#5


1日。晴れた空に山が映える。暖かく、下界では雪解けが進んだ。

しかし、山の家は雪に埋もれていた。道路を除雪した雪が道端にうず高く積り、車も入れない。お腹も空いた。空腹を満たすにしても、家の中に入らねば。まずは、家への道を確保するため、スコップで雪のかき出しを始めた。

なんとか人間が歩けるだけのスペースを作り、家の中へ。水抜き栓を緩め、水が出ることを確認。暖をとろうと、薪ストーブに杉の葉、そして薪を入れ、マッチで火をつける。キャンプ用の椅子を薪ストーブの前に据え付けた。

鍋でお湯を沸かしカップラーメンの塩焼そばに湯通しする。コーヒーもわかそうとコーヒーメーカーをセットしたが、フィルターを持って来なかった。

塩焼そばは美味かった。惣菜のポテトサラダも美味い。薪ストーブの火はなかなか点かなかったが、大きな窓から注ぐ太陽の光が家の中をぐんぐん温めてくれる。

人心地ついて、本格的に雪かきに取り掛かった。不動産屋さんが置いて行ったスノーダンプで除雪する。硬い場所はスコップで崩す。雪もこれだけ溜まってしまうと、簡単には除雪できない。

徐々に除雪が進み、なんとか車を止めれるスペースを作ったころにはだいぶ日が傾いていた。

家までの道ができた。久しぶりの除雪作業で、後で腰に来るかもしれないが、それはそれ。達成感を味わう。


お祓い~カフェへの道#4

新しい家に入る前にはお祓い。ずっとやってきた習慣である。神主さんに頼むわけではない。塩と酒を用意して、家、庭の四隅に撒きながら、その土地を守ってきた人、自然に感謝する。千葉の団地に入る時にそうしたし、福岡、NJの家に入る時もそうした。東京のマンションでは玄関に塩と酒を撒いた。

雪が降り続くこの日は大安だった。午前中用があったし、そう暇でもなかったが、この日に行きたかった。だから一の蔵一升と赤穂の塩を持って出かけた。

雪の量はそう多くなさそうだったが、畑の隅、とくに隣地との境で2mほどの段差がある部分には雪が多く積っていた。灌木の上に積った雪は見た目にはわからないが、踏み抜くと、腰までも落ちてしまう。それでもできるだけ四隅に寄り、感謝をささげた。

雪の中を一歩いっぽ歩き、この土地を開拓した人に思いを寄せる。寒く辛かったであろう日々を思い浮かべる。そうしながら自分自身のこれまで、そして今後のことを考える。深い雪は長靴の隙間から中に入ってくる。足はだんだん冷えてくる。

一回りすると、安堵感がやってきた。