新しい家に入る前にはお祓い。ずっとやってきた習慣である。神主さんに頼むわけではない。塩と酒を用意して、家、庭の四隅に撒きながら、その土地を守ってきた人、自然に感謝する。千葉の団地に入る時にそうしたし、福岡、NJの家に入る時もそうした。東京のマンションでは玄関に塩と酒を撒いた。
雪が降り続くこの日は大安だった。午前中用があったし、そう暇でもなかったが、この日に行きたかった。だから一の蔵一升と赤穂の塩を持って出かけた。
雪の量はそう多くなさそうだったが、畑の隅、とくに隣地との境で2mほどの段差がある部分には雪が多く積っていた。灌木の上に積った雪は見た目にはわからないが、踏み抜くと、腰までも落ちてしまう。それでもできるだけ四隅に寄り、感謝をささげた。
雪の中を一歩いっぽ歩き、この土地を開拓した人に思いを寄せる。寒く辛かったであろう日々を思い浮かべる。そうしながら自分自身のこれまで、そして今後のことを考える。深い雪は長靴の隙間から中に入ってくる。足はだんだん冷えてくる。
一回りすると、安堵感がやってきた。
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