農地と中古物件の所有者になった。
引き渡し場所は銀行の支店を借りて行われた。売り主はカギを、購入者は金を用意する。不動産会社以外に司法書士も立ち会い、金と領収書の交換を事務的に進める。これがもし詐欺だったら、なんてことも一応は考える。
約30分で手続き完了。終了後、当初の約束で、不動産と共に入手した薪ストーブやトラクター、芝刈り機の操作方法を習うため、農地と物件の場所へ移動した。
現地は雪に覆われていた。芝刈り機は何かが凍ってしまったようで、エンジンがかからない。販売店に電話したら、暖かくなって溶けるまで待てという。
家の中は芯まで冷えていた。誰もおらず、物が運び出され、寒々しい。ファンヒーター2台ぐらいじゃ暖かくならない。
薪ストーブを点けた。最初杉の葉を焚きつけにして点けたが、消えてしまった。薪が大きすぎたようだ。それでも着火剤を使ったら火が点いた。やはり火はいい。赤い炎を見ているだけでも暖かく感じる。
外に出てトラクタ-を格納してあるコンテナへ向かう。40センチは積っている。雪をラッセルしているうちに、足の指の感覚が次第になくなる。釣り用の長靴で冬は無理なようだ。
トラクターはメカのお化けだ。前方のパワーショベルや後方の掘削用回転翼を操作する。見ているだけで緊張する。間違って手とか巻き込んでしまったら大ごとである。
庭に植えてある木の名前を聞き、シャーペンで名札に書き込みぶら下げる。さらに、薪風呂の使い方やら水抜きの仕方を習い、家の引き継ぎを終えた。
外に出て玄関にカギをかけたら、辺りはもう暗かった。静寂で、自然の中ということを実感した。
後日、司法書士から登記識別情報という書類が届いた。
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