仙台市博物館で開かれているペルーの黄金都市シカンの展示を見てきた。TBSが昨年7月から全国で展示している。今はちょうど仙台で見られる。
ペルーの北沿岸部で西暦1000年ごろに栄えた文明、シカン。発掘された墓からは、埋められた人以外に、人の顔を模した土器や黄金の仮面が見つかった。
この展示を見た日、たまたま以前録画したインカのTV番組を見た。
インカはシカンの後に同じペルーで発達した文化。高原都市クスコが首都。
番組によると、インカはミイラによって栄えた、という。どういうことかというと、国の統治者が亡くなると、ミイラにしてあがめ、それによりその周囲の人間は同じ地位を維持したという。最高位者がミイラであるから、後継者は他の土地に進出し、そこで亡くなると、またミイラにされ、そのミイラを守る者の存在を守った。
このようにしてミイラ文化は全国に広がって行った。
そして興味深いのは生贄の歴史。その当時、インカの地方都市では神々に大切なものをささげる文化があった。首都クスコがその地方を統治するためにやったことは、クスコに住まう貴族の子供を生贄として差し出したこと。
そのミイラが数千メートルの山々に残っていた。子供たちはきれいな衣装に身を包まれ、クスコから地方の山に連れて来られ、酒を飲まされ、眠りこけて死んだという。寒冷の山から発掘された子供のミイラは、肌つやもよく、まだ死んだばかりのよう。
やがてインカはスペイン支配の前に滅びてゆく。その背景にはミイラによるインカ支配に抵抗する地方組織があったという。
番組は、インカはミイラによって栄え、ミイラによって滅んだ、と結んでいる。
写真はシカンともインカとも無関係のシーラカンス。いわきアクアマリンのはく製。
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