2015年3月11日水曜日

2015中南米コーヒー探訪②~コーヒー栽培を支える人々

From Seed to Cup.

スペシャルティコーヒーにとって、とても大事な言葉です。

コーヒーの種からカップとして飲むコーヒーが出来上がるまで、その一つひとつの工程が大切であることを意味しています。

コーヒー豆の収穫
コーヒー栽培はそのひとつの過程です。そして、とても重要です。なぜならコーヒーの味のほとんどは生豆で決まってしまうからです

そのコーヒー栽培は、大勢の人に寄って支えられています。山間の急斜面にコーヒーの苗木を植え、肥料を与え、手で収穫する。その大変な作業は人力で行われます。




一日の作業を終えた収穫労働者

コスタリカの場合、中米の中では比較的裕福な国であるため、「ピッカー」と呼ばれる収穫労働者は自国内で調達することが困難です。

このため主なピッカーは北側に隣接するニカラグアや南側のパナマから入ってくる季節労働者たちとなります。

ニカラグアのピッカーはホンジェラスでも人気が高いため、コスタリカでは人集めが大変です。
















ニカラグアでバスを待つ人々

ニカラグアで収穫したコーヒーチェリーをドライミルに落とす人々
ニカラグアのドライミルで天日乾燥

コスタリカの収穫風景








籠にぎっしり























収穫は重労働です。

しかも赤や黄色などしっかり色づいた完熟チェリーをピックしないと、比重選別で水に浮き、はねられてしまいます。

折角収穫してもスペシャルティコーヒーの基準に満たないのです。


コスタリカのアフリカンベッドで天日乾燥


ですから熟練したピッカーの働きはとても重要です。

とくに収穫したチェリーを直接天日乾燥させるナチュラル製法では、乾燥させると緑のチェリーも黒くなるため、外からは判別できなくなります。

収穫する段階で完熟している実だけをピックすることが大事な作業になるのです。


ニカラグアのサンホセ農園


収穫してきた豆を計量~ニカラグア









銃は泥棒対策









最終的にはカッピングで判別されるコーヒーですが、品質の高いコーヒー、とくにナチュラルは、完熟したチェリーだけが集められることが、その優劣に大きく関わってきます。

美味しいコーヒーは有能なピッカーから。有能なピッカーにはそれなりの賃金を。

となれば、美味しいコーヒーが高くなるのもやむを得ないのかもしれません。

2 件のコメント:

  1. ☆カクさんへ
    コーヒー農園の労働者の写真を見ていると、エネルギッシュで力強いですね!
    働くことの原点を知らされる思いです・・
    一杯の美味しい珈琲をこの原風景を思い起こしながら飲む事にします・・・
    それにしても、泥棒対策に銃を携行してるなんてこれ又凄い事ですね。
    きっとまた違った味わいを感じる事が出来るかも(笑)

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  2. 1杯(18g)のコーヒーを飲むためにはコーヒー豆が何粒必要か? 数えてみたら113粒ありました。1つのチェリーからは2粒のコーヒー豆が取れますから、1杯のコーヒーには57個ものチェリーが使われます。57個のチェリーを詰むためにどれだけの労力が払われるか。短時間といえば短時間ですが、それをピッカー(摘取人)は手で採っているのです。
    おそらく、驚くほどの低賃金で。その賃金でなければ、我々は今のような価格でコーヒーを飲むことは出来ないでしょう。
    1粒たりとも無駄にしないよう焙煎し、心を込めて抽出します。

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