2011年2月3日木曜日

雪かき~カフェへの道#5


1日。晴れた空に山が映える。暖かく、下界では雪解けが進んだ。

しかし、山の家は雪に埋もれていた。道路を除雪した雪が道端にうず高く積り、車も入れない。お腹も空いた。空腹を満たすにしても、家の中に入らねば。まずは、家への道を確保するため、スコップで雪のかき出しを始めた。

なんとか人間が歩けるだけのスペースを作り、家の中へ。水抜き栓を緩め、水が出ることを確認。暖をとろうと、薪ストーブに杉の葉、そして薪を入れ、マッチで火をつける。キャンプ用の椅子を薪ストーブの前に据え付けた。

鍋でお湯を沸かしカップラーメンの塩焼そばに湯通しする。コーヒーもわかそうとコーヒーメーカーをセットしたが、フィルターを持って来なかった。

塩焼そばは美味かった。惣菜のポテトサラダも美味い。薪ストーブの火はなかなか点かなかったが、大きな窓から注ぐ太陽の光が家の中をぐんぐん温めてくれる。

人心地ついて、本格的に雪かきに取り掛かった。不動産屋さんが置いて行ったスノーダンプで除雪する。硬い場所はスコップで崩す。雪もこれだけ溜まってしまうと、簡単には除雪できない。

徐々に除雪が進み、なんとか車を止めれるスペースを作ったころにはだいぶ日が傾いていた。

家までの道ができた。久しぶりの除雪作業で、後で腰に来るかもしれないが、それはそれ。達成感を味わう。


お祓い~カフェへの道#4

新しい家に入る前にはお祓い。ずっとやってきた習慣である。神主さんに頼むわけではない。塩と酒を用意して、家、庭の四隅に撒きながら、その土地を守ってきた人、自然に感謝する。千葉の団地に入る時にそうしたし、福岡、NJの家に入る時もそうした。東京のマンションでは玄関に塩と酒を撒いた。

雪が降り続くこの日は大安だった。午前中用があったし、そう暇でもなかったが、この日に行きたかった。だから一の蔵一升と赤穂の塩を持って出かけた。

雪の量はそう多くなさそうだったが、畑の隅、とくに隣地との境で2mほどの段差がある部分には雪が多く積っていた。灌木の上に積った雪は見た目にはわからないが、踏み抜くと、腰までも落ちてしまう。それでもできるだけ四隅に寄り、感謝をささげた。

雪の中を一歩いっぽ歩き、この土地を開拓した人に思いを寄せる。寒く辛かったであろう日々を思い浮かべる。そうしながら自分自身のこれまで、そして今後のことを考える。深い雪は長靴の隙間から中に入ってくる。足はだんだん冷えてくる。

一回りすると、安堵感がやってきた。

2011年1月31日月曜日

引き渡し~カフェへの道#3

農地と中古物件の所有者になった。

引き渡し場所は銀行の支店を借りて行われた。売り主はカギを、購入者は金を用意する。不動産会社以外に司法書士も立ち会い、金と領収書の交換を事務的に進める。これがもし詐欺だったら、なんてことも一応は考える。

約30分で手続き完了。終了後、当初の約束で、不動産と共に入手した薪ストーブやトラクター、芝刈り機の操作方法を習うため、農地と物件の場所へ移動した。

現地は雪に覆われていた。芝刈り機は何かが凍ってしまったようで、エンジンがかからない。販売店に電話したら、暖かくなって溶けるまで待てという。

家の中は芯まで冷えていた。誰もおらず、物が運び出され、寒々しい。ファンヒーター2台ぐらいじゃ暖かくならない。

薪ストーブを点けた。最初杉の葉を焚きつけにして点けたが、消えてしまった。薪が大きすぎたようだ。それでも着火剤を使ったら火が点いた。やはり火はいい。赤い炎を見ているだけでも暖かく感じる。

外に出てトラクタ-を格納してあるコンテナへ向かう。40センチは積っている。雪をラッセルしているうちに、足の指の感覚が次第になくなる。釣り用の長靴で冬は無理なようだ。

トラクターはメカのお化けだ。前方のパワーショベルや後方の掘削用回転翼を操作する。見ているだけで緊張する。間違って手とか巻き込んでしまったら大ごとである。

庭に植えてある木の名前を聞き、シャーペンで名札に書き込みぶら下げる。さらに、薪風呂の使い方やら水抜きの仕方を習い、家の引き継ぎを終えた。

外に出て玄関にカギをかけたら、辺りはもう暗かった。静寂で、自然の中ということを実感した。


後日、司法書士から登記識別情報という書類が届いた。

2010年12月25日土曜日

ホワイトクリスマス

昨夕から雨が雪に変わった仙台は、ホワイトクリスマスの朝となった。

沖縄でいただいた月桂樹、近所で買ったオリーブの木、そして沖縄ナンバーの車にも雪が積った。

子供もいないし、宗教的にも関係ないし、何かと気ぜわしい。クリスマスなんて他人事と思っていた。ところが昨日のイブでは、スーパーに買い物に行き、ついそれらしい惣菜を買ってしまった。

フライドチキン、ピザ、サラダ、ケーキ、そして南アフリカの赤ワインにロールケーキ。いつでも店頭に並んでいる食べ物、飲み物だが、クリスマスソングが流れる店内で物色し、サンタマークの包装で彩られると、クリスマスの必需品のように思えてくる。

食卓で惣菜をテーブルに広げると、やっぱりクリスマスっぽい。赤ワインをグラスについだら、80代の母親が「乾杯」とグラスを持ちあげた。思わず「何に乾杯するの?」。キリストの生誕祝い? 物件の契約祝い? ともかく乾杯。

一夜明けたクリスマスの日。当然ながらプレゼントの開封なんて行事はないし、「メリークリスマス」なんて挨拶もない。いつものようにご飯に味噌汁。

一つだけ違った。前の晩、食べ忘れたロールケーキを切って食べた。窓の外の雪を見ながら、その味を噛みしめた。

2010年12月24日金曜日

農地契約~カフェへの道#2

農業委員会のOKが出て、農地取得の契約手続きをした。

場所は不動産会社の事務所。重要事項の説明は既に受けていたので、坦々とことが運ぶと思っていた。

ところが、売り主の方の物件に対する熱意がすごい。使われているステンドグラス。木材。栽培されているブルーベリーの品種。農業用水管路が漏れた話。ランプ。薪ストーブの煙突・・・。話がなかなか先に進まない。

それでも一応、契約書を取り交わし、重要事項説明書を受け取り、契約手続きは終わった。

それから現地へ。物件の説明を受ける。希望していたのは、薪ストーブと薪風呂釜の使い方。薪ストーブは杉の小枝を焚きつけにして薪を乗せる。はじめはさほど暖かくなかったが、だんだん温まってくる。特に2階はいい。香りもいい。

ついで風呂釜。火がおきると、部屋の中も温まってきた。

それから外へ。外周の境界の場所を教えていただき、植えられている樹木の説明を受ける。一気に覚えられない。クワ、ヤマボウシ、サクラ、ナラ・・・。覚えきれない。今度来た時は、名札を持ってきて、記入して掛けておこう。

そうしている間に雪がどんどん積っていく。ここは山の高原。雪が積もって当然の土地。今日はクリスマスイブだ。

2010年12月20日月曜日

仕事は農業~カフェへの道#1

本日、ある町の農業委員会で、農地法第3条申請の許可が下りた。

どういうことかというと、農地を売りたい買いたい、という申請を農業委員会に出して、審査の結果、OKとなったのだ。

私は買主。卒サラの新規営農参入者。これで職業は農業、と胸を張って言える。

農地は、資材置き場にされたり、宅地にして売られたりすると農地がなくなってしまうから、簡単には売買できない。農地は、売買価格も固定資産税も安いが、これは食べ物を作る農地だからの措置。

今日、町役場の2階で開かれた委員会に出席すると、委員の方がずらり。みんな農業のプロなんだろう。大学院で農業を学んでいる、なんて言ってもほとんど効果がない。ブルーベリーを作りたい、と営農計画を説明したが、ブルベリーは金にならない、とあっさり。農業は甘くないよ、ということだ。

でも、こんなこと、ここで言っていいのかどうか、とカフェの計画を話しだしたら、風向きが変わった。

農業では収入が得られないと思うので将来的にはカフェを開きたい。カフェでブルーベリーの加工品を提供したい、と踏み込んだ。次の瞬間、委員の方が身を乗り出してきた、ような気がした。

最後は、意欲を示してもらえれば、ということで聴聞は終わった。

夕刻、農業委員会の事務局から電話。許可が下りた、ということだった。

問題はこれから。土地を手に入れても、農業をうまく成功させなければならない。作物は生き物。土を作り、育てる。次に、カフェをオープンするのだ。広い自然の中で、農園のあるカフェ。その実現に向けて動き出した。

2010年12月7日火曜日

NAHAマラソン

 第26回NAHAマラソンを走ってきた。今年の参加者は23,402人。うち71%、16,845人が6時間15分の制限時間内に完走した。

 午前9時、ジャイアンツの阿部慎之介選手、プロゴルファーの上原彩子選手、翁長雄志那覇市長がつく万国津梁之鐘でスタート。いつも通り、すごく混んでいて、13577番の自分はスタートに着くまで16分以上かかった。それからも混んでいて、国際通り、ひめゆり通りはなかなか前に進めない。5Km地点に到着するまで50分もかかった。

 でも、NAHAマラソンはタイムではない。42.195Kmを楽しむお祭りなのだ。

 沿道の応援は途切れることがない。黒砂糖やミカン、バナナを用意して提供してくれる。エイサーはじめ、鉄腕アトムやパイプラインの演奏も楽しい。高校生とハイタッチし、小さな子とロー(?)タッチ。

 隣を走ってるランナーが突然、「○○ニイニイー」と声を上げた。知人を見つけたのだ。さっと寄って行って記念撮影。そんな光景が至るところで見られた。

 マラソンの前日から那覇の街はランナーで一杯になり、当日の晩、翌日は足をひきづるランナーがあふれる。毎年の光景だ。

 マチグワー(市場)で買い物をするとき、ランナーだと言うと、ちょっぴりおまけしてくれたりして。

 1年後の12月第1日曜は、また那覇に来よう。