2012年10月2日火曜日

幼年期の終わり


東京駅で夕刊フジを買った。久しぶりに都会のサラリーマンの気分を味わいたかったから。

ところが、そのトップは「中国軍 尖閣強奪へ 11月攻撃準備」の見出し。

日本も、中国も、戦争なんかしてメリットないんだから、軍事衝突なんてあるわけないだろーと思いながらも、嫌なタイトル。人民解放軍の最高幹部が語った、という記事仕立てになっている。

こんなキナ臭い話が起こる度に思い起こすのは、アーサー・C・クラークが60年も前に書いたSF「幼年期の終わり」。クラークは米ソの冷戦に嫌気がさして、これを書いたようだ。

核戦争が一発触発となっていたとき、宇宙船がやってきて、地球上から争いがなくなってしまうという話。ストーリー自体はさらに広がっていき、なぜ“幼年期の終わり”なのか、やがて明らかになるのだが、この宇宙船がやってきて地球上から争いが消えるという構造は、これまで人類が何度も繰り返してきた歴史ではないか。

イギリスしかり、中国しかり、我が日本もその国内がいくつもの領土に分かれ、争いを繰り返した。それが黒船のような外敵の出現で一気にまとまってしまった。

蔵王は宮城県に属するのか、それとも山形県か。そんなことは外国の人にとっては重要な問題ではない。どちらも日本である。同様に尖閣諸島が日本か中国か、あるいは台湾か。地球外の生物からすれば、単に地球の一地域にすぎない。


地球という単位でまとまってしまえば、このような事案は起きないのではないか。


2 件のコメント:

  1. まずコブシを振りかざしてから握手を求めてくる中国。様々な利権もからみ、駆け引きに化かし合い、おそらく単純な解決方法というのは無いのでしょうね。
    縄張り争いを起こすのは生物の本能です。自分たちの生死に関わるから。それを制するのは理性ですね。人間は1万年以上前からずっと本能と理性の溝に葛藤して、宗教で必死にギャップを埋めようとして来たような気がします。
    日本もそうであったようにアメリカも中国もロシアも多民族をむりくり愛国心で統一させている。だから外に敵を作ることによって結束を高めているような気がします。
    世界が一体となるとどうなるんだろう?内部で迷走が始まるのかな。実際のところ宇宙人など来襲する確率はゼロに等しいし、どこに敵を作るのかな。

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  2. 縄張り争いを起こすのは生物の本能ーなるほど。女王蜂は子供の女王蜂が大きくなると巣から追いやられるらしいし、人間が入って行かなかったらイリオモテヤマネコもヤンバルクイナももっと個体が残っていたでしょうね。畑も野菜や果樹に元気があると草が生えにくいのに、元気がなくなったら一気に草に勢いがつきます。人間と他の生物の違いは理性があるかどうか。理性があるがゆえに「大義のために」なんて動きもしますが、なんとかさらに理性を働かせてよりベターな道を探りたいものです。

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