2009年8月31日月曜日

ネコはなつかない

ネコというものは人にゴロゴロとなついてくるものと思っていた。
それが、どうもそうとは限らないということを最近知った。
左のネコは従兄の家にいたネコ。このネコ、すうっと寄ってきて、膝の上でゴロニャンと甘える。
ところが従兄は「噛みつく」という。
ネコが噛みつく?
不思議に思った。
ちょっと離れていたネコはまた寄ってきて膝の上に座った。
目をそらした次の瞬間、聞こえた。
「フー」
突然前足があごに伸びた。
やられた。



角田の畜産体験でのこと。
倉庫の中で、牛のえさ用にクラッカーを袋から出していた。
子猫が寄ってきて、ちょこんと座る。
手を伸ばすと逃げて行く。
でも、また寄ってくる。
クラッカーを手で食べさせようとすると、離れる。
試しにクラッカーを投げたら、食べた。

と、子猫が何かを見つめている。
何かが飛んだ。
バッタだ。
子猫は上手に捕まえ、食べた。

顔はキュートでかわいいが、本質は「野生」、なのである。

2009年8月28日金曜日

仙台港着~北海道テントの旅14日目

隣の人のいびきで、ほとんど眠れず。
午前2時ごろからロビーで旅行の資料整理。
寒くて午前4時ごろ部屋に戻るが、やはりうるさい。
風呂に入る。

写真は金華山? もっとも陸が近く見えたところ。

8月12日午前10時。仙台港着。
車の走行距離は3000キロを超えていた。

支笏湖、札幌を経て苫小牧~北海道テントの旅13日目(フェリー泊)

札幌へ行くことにする。
目的は薪窯パンのヴェルジネ・バッカーノと自分たちでコーヒー豆を輸入しているドクターカップグループのはしのコーヒーに寄るため。

夕方のフェリー出発までに苫小牧に行けそう、と踏み、支笏湖経由とする。

支笏湖ビジターセンターに寄り、反対側のいとう温泉支笏湖に面した露天風呂入浴。広い湖を眺め、太陽の下で入るお風呂は気持ちがよい。
ここは冬季間閉鎖。
ちょうど札幌から来ていたライダーは、温泉に入り、本を読み、飽きたら湖で泳ぎ、また温泉に入る、という。
男女別だが、湖に入れば見えちゃうな、と思う。

ヴェルジネ・バッカーノは支笏湖から札幌に向かう幹線沿いにあった。
しっかりした薪窯っぽいパンを焼いている。
見るからにおいしそう。
カフェも併設している。
隣は畑で、いい雰囲気だ。

ついではしのコーヒーを探す。
住所で見つけ出す。
はしのコーヒーはビーンズショップだった。ビーンズショップというのはコーヒーの豆屋さん。
ドクターカップというのは全国に4軒ほどあるコーヒー豆を共同輸入しているグループで、ブラジルなどへ直接行って買い付けしている。コーヒー豆の生産者との一体化を目指す焙煎者のグループだ。
はしのコーヒーの場合、豆を買った人にサービスでコーヒーを提供するが、カフェは開いていない。
中に入ると、焙煎中のコーヒーの香りがプーンと漂う。
販売する商品にはコーヒー農園の名前が書かれ、国・地域名では分類していない。
豆を250g買い、サービス品のエスプレッソを飲む。
エスプレッソを飲む流儀に従い、砂糖をたっぷり入れ、3口ほどで飲む。

折角、札幌まで来たのだから札幌ラーメンを食べよう、と駐車場付きのラーメン屋すみれの札幌本店へ。
まあまあだが、旭川ラーメンには負ける。

またまた折角だからと時計台を見に駅前へ。途中、路面電車と並行。

時間があったから、一般道で苫小牧へ。札幌ドーム、新千歳空港の側を通る。
苫小牧で土産にしようとスーパーの魚売り場を物色するが、いいものに出会わない。
それどころか石巻産まである、さすがに仙台への土産にはできない。

苫小牧のフェリー乗り場で、魚を売っている市場を紹介され、向かう。
黒カレイ10枚とホタテ5枚を1200円で購入。

7時出発のフェリー「きそ」に乗った。
夜はロビーで、コンビニ弁当。

白老で塩釜神社参拝~北海道テントの旅12日目(白老泊)

小鳥の声で目覚め。テントの外は様々な小鳥たちで賑わっている。キツツキが木を叩く音も聞こえる。
前日、日高で買ったトウモロコシをゆでて食べる。
美味い。

朝食後にキャンプ場周辺をトレッキング。展望台へ。川の水源を訪ねる。紅葉平、というところはモミジがいっぱい。秋はさぞかし見事だろう。
出発は明後日と決まったし、苫小牧までは近いので、のんびり2時間ほど歩く。

キャンプ場に戻り、仙台藩元陣屋資料館へ。蝦夷地警備を担った仙台藩の陣屋跡地だ。
何かお祭りをやっている。
人の後を追っていくと、なんと塩釜神社。
階段を登り、カミさんが「仙台から来ました」と漏らしたら、「仙台からお参りに来てくれたんだって」
小さな神社の中に案内された。
旅のついでに寄った、とは言えず、手を合わせる。
神社なんだから、2拍手すべきか、と悩む。
右側に神主さん、左右に氏子の人々。
手を合わせるだけ。
笹団子をもらう。

階段を下りて、資料館へ。本当は有料だが、金を払わず入館。
幕末に仙台から北海道まで来た人々の歴史が詳しく展示され、面白い。
仙台から来た人の末裔もきっと、この辺に住んでいるのだろう。
資料館の外で1杯100円のカレーライス。2杯で200円。
ホタテの入ったシーフードカレー。美味しい。
500円玉でお釣り300円を寄付金箱に入れたら、「寄付していただきました」
資料館の代金も払っていないのに、恐縮。

この地は白老牛というのが有名らしい。
自家焙煎のコーヒー店で、豆を買ったついでに、白老牛の入った白老バーガーも購入。

登別温泉へ。温泉地には定番の地獄谷という所をみて日帰り温泉。地下で露天風呂はないが、いい湯質。
日和山から噴き出る湯気、クッタラ湖などを見て、再び白老の町へ。

キャンプ場が混んでいる。やっぱり街が近いんだ。

襟裳は日高昆布の真っ盛り~北海道テントの旅11日目(白老泊)

北海道もあと3日。今日は一気に苫小牧近くまで行くことにする。
野営地は白老のポロト自然休養林にある、ふるさと2000年ポロトの森キャンプ場に決めた。

まずは襟裳岬。濃い霧の中、一気に南下する。左側の海岸でコンブを運んでいる風景が見られる。

襟裳岬は晴れていた。
ゼニガタアザラシを観察する女子高生がいる。肉眼では把握できない。

次いで西へ向かう。
優駿浪漫街道。競馬馬の産地なのだ。
道の両脇に長いコンブが干してある。
日高昆布だ。
キャンプ地用にトウモロコシやトマトを購入。コンブの香りがするという三石焼酎も購入。
コンビニでカレーを買って、社内で食事。

日高自動車道から道央自動車道。ゆとりを持ってキャンプ場着。
うれしいことに空いていた。

白老の生協でホタテを購入し、お決まりの温泉。今夜はキャンプ場と同じ公園内にあるポロト温泉。お湯は茶色。混んでいる。

夜、ホタテのバター焼きに三石焼酎。満足。


美味しい釧路、池田~北海道テントの旅10日目(帯広泊)

いつものようにお湯を沸かし、豆を挽き、コーヒーを淹れる。焼いたパンの朝食。おいしい。
が、こいつが失敗だったことを後で知る。
釧路は朝食抜きにすべきだった。

営業前の阿寒国際ツルセンターの隙間から、ツルを眺め、釧路駅を目指す。
釧路駅前の和商市場、というところに入る。
これはすごかった。なんてったって安い。まず様々な刺身をチョイスして、それをご飯にのせて、マイ丼を作ることができる。魚貝類も安い。目の色の黒い、間違いなく新鮮な魚が山盛りで1000円以下。持ち帰りたいが、まだ旅行は続く。
カミさんが、いつも野菜を送ってくれる人にカニの詰め合わせを送る。毛ガニ、タラバ、花咲の詰め合わせ、静岡までの送料込みで5400円。(翌日着いて、感謝していただいた)
朝食を済ませてきたため、刺身だけを食べる。
美味かった。
この和商市場の公衆電話から太平洋フェリーに電話。2日後、8月11日の苫小牧発仙台行のフェリーに空きがあるかどうかを確認。大部屋が空いていた。即決で予約。これで行き先は苫小牧と決まった。

次の目的地は帯広。帯広駅前の六華亭本店と日本で唯一の無加熱殺菌牛乳を作る想いやりファーム

途中、池田町の看板。池田町といえば、十勝ワインの町ではないか。昔よく、新宿伊勢丹の十勝ワインの立ち飲み屋に入ったものだ。
急きょ、池田町へ。ワイン城、というのを目指す。
食事をしようと、レストランへ。
すごく並んでいる。
しかし、並んで正解。
680円の「池田のランチ」。その豪華さに、美味しさに、度肝を抜かれた。
赤と白のワインも購入。

結果として、食べ過ぎ。六華亭本店のデザートは断念した。
帯広市街には入らず南下。中札内村の想いやりファームへ。
想いやりファームは日本で唯一、加熱処理をしていない牛乳を生産している。
牛乳は乳等省令という規則で定められているが、そのうち特に衛生管理が行き届いた牛乳を特別牛乳としている。生産しているところは日本で数社しかない。
中でも想いやりファームは加熱殺菌をしていないところなのだ。
ここは、今回の旅で行きたかったところの1つだった。
想いやりファームは小さな牧舎。なるほどきれい。子牛がいた。
ソフトクリームを食べ、180ccの牛乳を1瓶購入。
どちらもすっきりした味。濃いが、牛乳臭さはなかった。

探しに探して、野営地、ポロシリ自然公園オートキャンプ場発見。
ここは混んでいた。人がまばらだった今までのキャンプ場とは大違い。
テントサイトがほとんど開いてない。
人間の多い地域に戻ってきたことを思い知らされる。
テントも大きく、ほとんどが食卓を入れられるスクリーンタープを併設している。
旅行、というよりはキャンプを楽しみに来た家族連ればかり。
うるさいだろうなー。
一番奥に陣取る。

温泉は更別村老人保健福祉センター「福祉の里温泉」。
これも迷った。カーナビが当てにならないのにまともな地図もなく、行きと帰りに花畑牧場に遭遇した。
カーナビの通りに行ったら山奥に連れて行かれる。
霧は濃い。
道路標識を頼りに走ったら、なんとかキャンプ場に戻れた。

家族連れは意外に静かだった。

摩周、屈斜路、アブ怖い~北海道テントの旅9日目(釧路泊)

旅の折り返し地点は過ぎ、後は苫小牧(仙台行フェリー)か函館(青森行きフェリー)へ向かうのみ。

別海町は朝日が見えた。野付半島の向こうからのっそりと日が昇る。
太陽が顔を出す前、空が赤く染まりきれい。
太陽はまもなく雲の影に消えた。

南へ下って、北海道の最東端、納沙布岬に行くか、西の摩周湖にするか、迷った結果、摩周湖を選択。中春別、中標津、開陽台経由して裏摩周湖へ向かう。

中春別までの道ではシカに出会う。

裏摩周湖展望台。一般的な摩周湖の観光コースではない反対側。

摩周湖は霧に囲まれず、晴れていた。
ところが、大量のアブ。怖い。これから数日間、こいつにずっと悩まされる。
摩周湖は木に囲まれよく見えず。

この展望台を去り大分経ってから、裏摩周湖近くに透明度抜群の「神の子池」があったことを知る。
行かず、残念。

弟子屈の摩周温泉観光案内所で情報収集。
コンビニで弁当を買い、屈斜路湖へ。
間違って、屈斜路ウォータースポーツ交流公園に迷い込んだら、ここの事務所の方が親切。
「食事をするとこ、探してます」と話したら、「そこの木陰がいいですよ」
この公園はカヌーなどで湖を楽しむ人の施設らしい。

和琴温泉という露天風呂があることを知り、行ってみたら、きたない。加えて、人がぞろぞろ通る場所。
素っ裸で入る温泉ではない、ことを知る。

砂湯、という湖畔の砂を掘ると温かい場所を目指す。
無事到着。
ところが、アブが多い。とても車を出れない。
あきらめて、次の宿泊地である釧路近辺へ向かう。
途中、展望台から釧路湿原を眺める。

宿泊地は阿寒国際ツルセンター向かいの、あかんランド丹頂の里。
温泉は、徒歩5分の「赤いベレー」。なんでそういう名前なのか、考えてみたら、丹頂鶴の頭は赤かった。

テント張りはスピードアップして15分。

2009年8月27日木曜日

熊の湯はいい気持ち~北海道テントの旅8日目(別海泊)

羅臼のキャンプ場には今朝もシカの親子連れ。
晴れて気持ちがよい。
知床峠からは国後島の山がうっすらと見えた。
ところが、知床峠を越えた知床自然センターの辺りは曇っていた。

8時40分のバスでカムイワッカ湯の滝へ。温かいお湯の滝を登る。苔が生えず滑らない。とはいうものの、少しは怖い。

湯の滝の後は知床五湖。本当は5つの湖を見れるはずだが、三湖~五湖は熊が出たとかで、遊歩道が閉鎖されていた。したがって回れたのは一湖と二湖。曇っていたので羅臼岳も見えない。

羅臼のキャンプ場へ戻り、テントを畳む。後ろのテントのおじさんはまだ残る。「お先に失礼します」と挨拶したら、小さく手を振っていた。

このキャンプ場の楽しみだった露天風呂「熊の湯」に入らず、立ち去るわけにはいかない。
青空の下、「熊の湯」に入る。
予想以上にいい湯。晴れていて、日光が顔に暑い。そのままボーッとしていたい気分。
しかし、出かけないと次のキャンプ場までたどり着けない。

羅臼の街中で、ホッケ定食。美味い。あんまり美味かったから、魚やでホッケ、大ぶりのやつを買う。シマエビとカキも。

ゆるりと南下。海を左に標津へ向かう。ずっと国後が見えている。すぐ側の島。こんなに近いのに、行けない、とは。

標津の町を過ぎ、別海町の尾岱沼ふれあいキャンプ場着。今度は太平洋に面したキャンプ場。
それなりの金を払うが、ランドリー、ゴミ収集など設備も整っている。

温泉は尾岱沼シーサイドホテル。
毎日温泉に入り、体の調子も良い。

夜は昼に買った魚介類を焼く。ホッケは脂がジュージュー滴り落ち、野趣味満点。カキはふたを開け、醤油をたらして食べた。美味。

月が昇った。海に赤い光が反射した。

北海道3000Kテントの旅~地図



7/30(木) 仙台発 八戸~六ケ所村 大間泊

7/31(金) 大間~函館~長万部 小樽泊

8/1(土) 小樽~富良野 上富良野泊

8/2(日) 旭川~士別~羽幌 初山別泊

8/3(月) 初山別~稚内~宗谷岬 雄武泊

8/4(火) 紋別~網走~斜里~ウトロ 羅臼泊

8/5(水) 羅臼~ウトロ~知床岬 羅臼泊

8/6(木) 羅臼~知床五湖~標津 別海泊

8/7(金) 摩周湖~屈斜路湖 釧路泊

8/8(土) 釧路~池田 帯広泊

8/9(日) 帯広~襟裳岬~日高 白老泊

8/10(月) 登別 白老泊

8/11(火) 白老~支笏湖~札幌~苫小牧 フェリー泊

8/12(水) 仙台着


知床岬へ~北海道テント旅7日目(羅臼泊)

羅臼2日目の朝は爽やかだった。
森の中、この裏はすぐ、知床の大自然である。








テントの周りにエゾシカが来ている。
近づいても逃げない。
ここでは、人間よりエゾシカが多いのだ。






テントはそのままにし、ウトロへ戻る。
途中、知床峠で下車。
羅臼は晴れていたが、霧がかかり、羅臼岳は望めない。


オシンコシンの滝を見る。
観光バスで大勢の観光客。やはりキャンプ場とは違う。











普通の観光客は1000円ぐらいの美味しそうな弁当を買い、観光船乗り場側の有料駐車場に車を止める、と思うが、コンビニで300円の弁当を買い、道の駅に車を止め、観光船乗り場へ向かう。


船はいささか退屈。2時間ほどして、知床半島の先端、知床岬に出た。
知床はウトロから以北に人は済んでいない。
秋から冬にかけてのサケ漁で使う番屋があるだけ。
陸路もないから、知床岬には船でしかこれない。
ウトロまでの帰りは、船内で寝る。




午後は知床自然センターに車を止め、遊歩道を歩き、フレペの滝を見る。
この遊歩道はよかった。
晴れていて羅臼岳がくっきり見える。
花がきれい。
シカも多い。






羅臼への帰路。知床峠から羅臼岳の全容が見えた。









キャンプ場には早めに到着。らうす第一ホテルで入浴。
まだ明るく、露天風呂のお湯が心地よい。もう風が冷たい。

夜、真っ赤な月が見えた。

サロマ湖展望台にはキタキツネ~北海道テント旅6日目(羅臼泊)

のっそりとテントを出る。
晴れそうな気配。だが、東の空は雲がかかり、太陽が出たのか、夜明け前か、よく分からない。
オホーツク海から登る朝日を見れる折角の機会だったが、日の出の時刻も知らず、ぼんやりと夜が明けていた。

晴れてきた。
テントをたたみ、海側のベンチに移動。
稚内で買ったコーヒーを淹れる。お湯を注ぐとしっかり膨らむ。いい味だ。
こういうコーヒーを飲むと身が引き締まる。

今日はできるだけ知床寄りのキャンプ場を目指す。まずはサロマ湖。そして網走だ。

238号、オホーツクライン通りに曲がらず、サロマ湖への一本道を走る。
ひたすら真っすぐ。
そのどん詰まり。サロマ湖があった。潮が引き、船が船体をあらわにしている。
あまりきれいではない。

サロマ湖展望台というところを目指す。
この道でいいのかなー、という山道を登って行ったら、展望台の駐車場があった。
ここで子ギツネが2匹。キタキツネ、なんだろうたぶん。誰かが餌を与えたのか、人間から離れない。
見てると、バッタを捕まえたりしている。
ネコと一緒だ。
展望台へは歩いて登る。屋上に出ると、サロマ湖が一望できた。
広い。
下の国道の車から、T元幹事長の声が聞こえた。
ここが地元なんだ。

山を下り、道の駅で一服。網走へ向かう。
食事をして向かったのは、博物館網走監獄。網走番外地シリーズが大好きだった世代としては、どうしても見たいスポット。
なんと学割がきいた。
また、映画が見たくなる。帰ったら、借りよう。
その近所の北海道立北方民族博物館も見学。日本人より外人さんが多い。
中南米のコーヒーが北極を通って北欧に運ばれた、など、なかなか興味深い展示が多い。

知床はさすがに遠いので斜里町を目指す。
斜里町でキャンプ場を探すが、めぼしいのがない。
キャンプ場ガイドを見ながら検討した結果、知床、それも最奥といわれる羅臼のキャンプ場を目指すことにする。
キャンプ場に電話すると、6時まで受け付けする、という。

途中、ウトロで食材購入。ウトロから羅臼へは知床峠を越える山越え。
ウトロ側は晴れていたのに峠が近付くと濃い霧。山を下っても霧は晴れない。
6時前に着いた。
このキャンプ場は昨年、クマが出たため閉鎖された。
いたるところに「クマ注意」の看板。昨年の話も出ていた。夜中にゴミ捨て場付近に現れたらしい。
ちょっと緊張するが、奥の高台に陣取る。
テントを張り終えると、暗くなりかけていた。

近くの温泉、知床観光ホテルへ。
ここの温泉はすごかった。
なにがすごいって、その不気味さが。
フロントで金を払い廊下をずっと行った先がお風呂。
おじさんが1人、脱衣場で涼んでいた。
中に入ると、うす暗く、湯煙でほとんど見えない。
広い。奥行き20m、横幅40mぐらいはあるか。
その中に湯船は3つ。
なのに客は俺1人。夜だし、これは少しビビる。
それでも折角だからと、すべての湯船を堪能した。

外に出たら真っ暗。
キャンプ場では真っ暗な中、調理開始。
後ろのテントのおじさんはもうテントの中に入った。
静か。テントは、この静寂がいい。

知床にいるんだ。




何もないオホーツク~北海道テント旅5日目(雄武町)

雨は明け方まで降り続いた。
朝になると、カラスの声が大きい。
5時ごろ起きると、どんよりとした曇り空。
目の前が海なのに爽やかさがない。
コーヒーを淹れ、パンを焼く。
今日はいよいよ最北端だ。

食事を済ませ、テントを干す。割と簡単に乾く。
7時過ぎ、出発。日本海を左手に見ながら、オロロン街道を北上。まずはサロベツ原野を目指す。
途中、風車が列をなしていた。

サロベツ原野では秋田から来た夫婦に会う。
ホンダのフィットの後部座席を倒し、板を張り、平らにしている。布団を積み、車中泊ができるよう改造している。
月の半分は車で旅行するという。ETCの1000円割引が登場してからは鹿児島まで行ったとか。
朝食と夕食は、前日夕、スーパーで半額になった弁当を調達。3日に1回ぐらいは宿に泊まり、美味しいものを食べる。
こういう旅行もいいかな、と思う。

稚内へは昼前に到着。洗濯物が溜まっていたので、ガソリンスタンドでランドリーの場所を聞く。
すぐ側にあった。洗濯をしている間、副港市場で食事。
奮発して2500円のウニ丼を食べる。カニの味噌汁付き。
うまいのだが、2500円の価値はあるか? 疑問。
隣の店で、ホッケの干物とイカ飯を購入。

洗濯物を回収し、ノシャップ岬へ。雨の中、到着。本当は利尻島が見えるはずだが・・・。残念。
稚内でもコーヒーの自家焙煎店を見つけ、100gだけ豆購入。
次は宗谷岬だ。


最北端なのだが、感動はない。冷たい雨の中、写真を撮って終わり。
間宮林蔵の碑があった。ここから先、樺太に渡り、樺太が島であることを発見したのだ。
先人の好奇心と勇気に敬服する。

あとはひたすら東へ。今回の旅行の最大目的地である知床を目指すだけだ。
「何もないよ」
吹上温泉でNTTの2人に聞いていたが、本当に何もない。
北海道NOが何台も追い抜いていく。
何をそんなに急ぐのだろう。
まあ、こっちは時間があるからな、と納得させる。
紋別まで行きたかったが、雄武(おうむ)町の日の出岬で妥協。
朝日がきれいだという。
海沿いに広がるキャンプ場。芝生がきれいだ。
雨はすっかり上がっている。

テントを張り、買い物。そして、お決まりの温泉へ。
今夜はオホーツク温泉「ホテル日の出岬
夕食は当然、稚内で買ったホッケの焼き魚。

2009年8月25日火曜日

旭川ラーメンはうまい~北海道テント旅4日目(初山別泊)

いびきも聞こえ、ベットは寝付けない。早朝起床。露天風呂へ向かった。
これが最高。小雨が降っているが、山も見える
冷たい雨と温かいお湯がうまくマッチする。
奥さんと札幌から来たというおじさんと話をする。
「札幌だと空が狭い。ここは空が広くていいですね」
なるほどビルや家に囲まれていないから空が広い。
気持ちも広くなるようだ。

この朝もコーヒーを淹れる。うまい。
朝食が終わるころ、雨は本降りに変わった。テントでなくてよかった。

雨だし、美瑛のお花畑を見る雰囲気ではない。旭川の旭山動物園を目指す。

8時半到着。9時オープン。ところがもう並んでいた。さすが旭山動物園
傘をさし、チケット購入の列に並ぶ。

園内に入り向かった先は、やはり白クマ。並んで入り、アザラシ目線で白クマを見られるドームのコーナーにまた並ぶ。しかし、残念ながらドームから白クマを見ることはできなかった。

次いで向かった先は、白クマと人気を二分するアザラシ。細長で丸い縦の水槽をアザラシがスーっと泳いでいく。

ペンギン、オランウータン、オオカミと眺め、カピバラのコーナーへ。鼻の下の長い、どこかのおじさんのようで、なんか愛嬌がある。上の方にはクモザルが同居している。

体が冷えてきて風邪をひきそうなので旭山動物園を後にする。

そろそろ昼時。旭川ラーメンを食べてみようと、車を走らせると、「ひびき」というガイドブックに出ているラーメン屋さんを発見。お店の方に「お勧めはなんですか?」と尋ねたら「塩を頼まれる方が多いですね」
この「塩」がうまかった。この旅行中4回ほどラーメンを食べたが、「ひびき」の「塩」が一番。

ラーメンを食べたし、JR旭川駅も一応チェックし、一路、初山別を目指す。

旭川鷹栖インターから道央道に乗り、士別剣淵まで走り、左折。
いよいよ山越えだ。時折小雨が降り、暗雲が立ち込めている。
はたして今夜の野営は大丈夫か。
天気予報ではなんとか持ちそうだが。
日本海側の町、羽幌を目指す。

羽幌から北上。道路を走る車は少なく、店もない。どんよりとした天気。そんな中、うっすらと左前方に海から突き出た山が見える。
利尻島の利尻富士だ。

初山別みさき台公園キャンプ場、到着。
キャンプ場の受付で聞くと、買い物は来た道を車で20分ほど戻ったところ、という。
本当に何もない。

車で戻り、コンビニで買い物を済ませ、キャンプ場近くの初山別温泉「岬の湯」へ。
露天風呂は日本海が目の前に広がる。解放感があふれる。夕日がきれいだろう。

キャンプ場の側には天文台もある場所だが、あいにくの曇り空。

夜半、雨が降る。


小樽、そして富良野へ~北海道テント旅3日目(上富良野泊)

小樽の朝は、鳥の声で目が覚めた。
前の晩、そしてその次の晩ともにぐっすり。
テントだが、しっかりしたエアマットを敷いているのでフカフカである。
朝はコーヒー。家からコーヒー道具を一式持参しているので、完璧なコーヒーを淹れる。
まずお湯を沸かす。その間に、ポット(沸かしたお湯を入れる)、サーバー(ドリッパーから出たコーヒーを受ける)、ドリッパー(フィルターに入れた粉を入れる容器)、ペーパーフィルターを用意し、前日買った豆を挽く。
この瞬間がいい。お湯が沸く音がコトコト響き、コーヒーの香りが漂う。
生協で買った豆はやっぱり膨らまなかった(炒って間もない粉はお湯を注ぐと膨らむ)。
それでも、2日ぶりのコーヒーはうまい。しかも森の中のコーヒーは格別である。

キャンプ場から近い天狗山に車で登る。市街地が見えるはずだが、霧が濃く、視界が開けない。
小樽の町へ。車を止め、徒歩でブラブラ街を歩く。観光地だ。観光客向けの人力車もある。
北海道の石炭を運ぶ港として発展した街のようである。
戦前の発展が思い浮かぶ。
案内所でコーヒーの自家焙煎店を尋ねる。
「可否茶館」というところを教えてもらい、豆購入。
かま栄」というかまぼこ屋さんで「パンロール」というかまぼこをパンで包んだものをいただく。
これうまい。脂っこいが、うまい。
新鮮なコーヒー豆も買えたので、小樽を後にし、札幌自動車道に乗る。
札幌は通り過ぎ、滝川を目指す。
途中、岩見沢サービスエリアで昼食。「ポテト麺」というのを頼む。ラーメンの麺にジャガイモを練りこんでいるのか、うまい。冷たい麺である。
後は一気に富良野へ。
富良野では、新富良野プリンスホテルで、テレビドラマ「風のガーデン」の舞台となったブリティッシュガーデンを見る。「風のガーデン」は倉本創作で、緒方拳の遺作。
ドラマを見ていないので、残念ながら感動もなし。
ゴルフ場跡地に造られた庭園はこじんまりとしていた。
続いて、「ファーム富田」。これはすごい。クリックしてホームページを見てください。それだけでも良さが分かる。
中に「ファーム富田」の歴史を記した看板がある。経営が苦しく全部刈ろうとしたが、刈れなかった、と。
ラベンダーの蒸留水、石鹸などを購入。ラベンダー色のソフトもいただく。
宿泊先の「吹上温泉保養センター白銀荘」へ向かう。
天候は晴れ。雨は降りそうにない。テントの方がよかったのではないか。
白銀荘は自炊の宿。
みんなすき焼きやカツオの刺身と豪華な料理を作っている。
そんな中、宿の冷凍食品を温める。
札幌から登山に来ていたNTT社員2人と同じテーブルになる。
2週間ほど前に中高年者10人が亡くなった大雪山系の遭難はこの近くの山で起きたと聞く。
日本海側を稚内まで北上する、と言ったら、初山別に宿泊することを勧められる。
宿泊場所は2段ベット。料金は2600円。
温泉がよかった。サウナも付いていて、露天風呂が広い。

写真は「富田ファーム」。


どこまでも続く一本道~北海道テント旅2日目(小樽泊)

7月31日は5時に起きた。テントをたたみ、6時にはフェリー乗り場へ。
7時10分発のフェリーで函館に渡った。1時間40分の船旅である。
実は帰りのフェリーが予約できてなかった。苫小牧から帰るつもりだが、満席。フェリー会社の札幌営業所に電話するが、満席とのこと。キャンセル待ちを依頼する。
フェリーターミナルで、高速道路が3日間3950円になるというETC向けサービスがあることを知る。電話受け付けはないので、四苦八苦して携帯から申し込む。(後で、申し込まなかった方が安かったことを悟るのだが)
函館近郊泊を考えていたが、高速道路が安いなら、と小樽を目指す。八雲から高速、道央道に入り、あっという間に長万部に着く。羊蹄国道に入る。
道路が真っすぐ。対向車も少なく快適なドライブ
道の駅「らんこし・ふるさとの丘」で、ベーグルサンドのランチ。
北上。ニセコ着。ずっと行きたかった滑りたかったニセコスキー場が、札幌から結構離れた場所にあることを知る。
ニセコの道の駅「ニセコビュープラザ」では高原の野菜を購入。
倶知安、余市を経由して、小樽へ。
市街地から近い「おたる自然の村キャンプ場」を探す。
駐車場からはリヤカーで荷物を運ぶシステム。
森の中。静か。
テントを建て、「小樽天然温泉湯の花手宮出殿」へ。夜が迫っているため、慌ただしく上がり、生協で食材購入。コーヒー豆も購入。
ランプを灯して食事。
ラジオを聴いていると、翌朝は雨が降りそう。富良野近くの吹上温泉の相部屋を予約する。

写真は函館のフェリーターミナル。

2009年8月24日月曜日

星がきれいな大間の夜~北海道テント旅1日目(大間泊)

7月30日。カミさんと二人、旅に出た。北海道へマイカーで。金がないからテント泊、である。
出発は午前3時40分。午前4時までに高速に乗れば半額になる、とあわてて家を出た。
まだ暗い。途中、借りたDVD(姪の娘のために借りた「アンパンマン」である)を返却ボックスに入れ、高速に入った。
朝の高速は車が少ない。ほぼ制限速度で北を目指す。順調。
盛岡近くではもう、夜が明けていた。
サービスエリアで朝食。再び、北を目指す。
そう、目指すは北海道。である。青森からフェリーに乗るか、下北半島は大間にするか、迷った結果、大間、とする。
なんとなく八戸の町を見たくなる。
その直前、猛烈な睡魔に襲われ、休憩。寝る。
八戸の町を目指す。取りあえず、八戸駅へ。写真を撮影し、満足。
次は大間だ。
しかし、どうやって行けばよいのか。
看板を見、地図を見、なんとか海沿いを北上する。
寺山修司記念館」の看板を見つける。
何となく入ってみたくなり左折。三沢市の公園の中で、記念館を見つけた。
状況劇場。同時代なんだから、見ておけばよかったな、と後悔する。
美術館を後にしてさらに北上。ここまで来たら、六ケ所村にある原子力燃料の再処理施設を見たい。
再処理施設の実物は見れないが、見学施設があるらしい。
それを目指す。見学施設「六ケ所原燃PRセンター」は無料。おまけに本までもらえた。
大金で作って動いていない施設。無駄だ。しかし原発はクリーンエネルギー。
危険だが、CO2抑制につながる。
どうすりゃいいんだろう。
さらに北上。恐山が近い、と分かる。
せっかくだから、と恐山にも寄ることにする。
恐山に、イタコはいなかった。要するに、温泉の煙が出る地域。
まもなく夕方。大間への道のりを急ぐ。山道を通り、海岸線を通り、16時30分、本州最東端、大間着。
無料の大間キャンプ場にテントを張る。久しぶりのテント、しかも初めて利用するテントで、張るのに50分もかかった。
大間岬から対岸の函館が見える。
大間温泉海峡保養センター」で温泉に入り、食材を購入。80円で木槌も買う。
日の入りは18時30分。津軽海峡に沈む夕陽を見る。
夜。北斗七星がきれい、だった。

写真は恐山

土の塾―その2

角田市郊外の山間で我々3人は、畜産農家の実態をちょっとだけかじった。ホストの方からみれば、邪魔をしていただけだろうが。

朝は6時起床。我々は6時だが、ご主人は4時に起きて畜舎の見回りを済ませている。牛に異常がないかどうか調べる。
6時半、奥さんの手料理、しかも冷凍保存していた美味しいお米をいただく。
7時半ごろ、従業員の方が出社。8時から作業開始。赤ちゃん牛へはミルク、大人の牛へは稲わらのロールや特製の配合飼料を与える。300頭もいると量が半端でないから、重機が登場する。牛さえいなかったら、さながら土木現場だ。大型、中型のトラックもあるほか、飼料や堆肥の運搬でトラックの出入りがある。
12時ごろ昼食を取り、13時には作業再開。この間、ご主人は外部の会合へ出かけ、奥さんは家事を行い、忙しい。奥さんは経理担当でもあるので、決算期のこの時期は大忙しだった。
餌やりや牛の寝床用のおが屑を置いたりしているうちに17時。一応の作業終了となる。
以前、牛の数が少ない頃は、ご主人と奥さんが2人で朝仕事を終えてから朝食を取ったりしていたらしいが、従業員に合わせ9-5時の作業スケジュールに変えたという。
生き物相手だから休みはない。常に誰かが餌をやり、堆肥を変え、牛を見守っている。

こちらの畜舎からは「A5」という最高級和牛が生産されている。簡単に買える値段ではないが、1回ぐらいは食べてみたい。

土の塾―その1

8月20日から3泊4日で、農家に寝泊まりして農業を体験する、角田市農業振興公社主催のあぶくま農学校「土の塾」に参加した。「土の塾」は同公社が2001年から開催している。農業の新規参入者や農業に関心のある人を対象にした農業体験教室。今回は第9期で8人。全員が学生。ほとんどが東京からの参加者だが、出身地をみると北海道、新潟、韓国、ベトナムなど広範囲に分かれる。
今回は稲作、畑作、畜産などを経営する農家にそれぞれステイした。
私自身がお邪魔したのは牛300頭を飼う畜産農家。私を含め3人がお世話になった。畜産以外に水稲も経営している。牛の数がこれぐらいになると、家族だけではやっていけない。従業員もいて、牛への飼料供給、飼料の混合、寝床となるおが屑の収集、堆肥かき出し、堆肥の切り返しなどのルーティンワークをこなさなくてはならない。そんな中に牛の出産もやってくる。
話を聞いてみると、我々3人が伺う直前、牛の出産が始まった。しかも逆子。正常分娩なら頭から出てくるはずが、手を突っ込んで調べても頭がない。放っておけば、分娩の最中にへその緒が切れ、羊水を吸った赤ちゃん牛は死んでしまう。オーナーは我々を迎えに市街地へ向かっていたが、引き返した。機械を使って赤ちゃん牛を引き出したという。
写真は生まれた翌朝の赤ちゃん牛。もう立ち上がり、お母さんのおっぱいを飲んでいた。